ECH代表 廣田正俊のコラム
Hirota column
会社の方向性や今現在の様子など
ECH 代表 廣田正俊の考え方とともに記しています。
コミュニケーションのさしすせそ
コミュニケーションの本を読んでいたら「コミュニケーションのさしすせそ」という言葉に出会いましたので紹介します。
最近はMeetやZOOMによる対話も多くなり、対面でのコミュニケーションとは違う気配りも必要になってきました。
対面の時は相手の表情が見えるので、「してください」という依頼を受けたときに、にこやかな表情で言われると「あ、してあげよう」と思えます。
表情に怒りがあるように感じたときは、威圧感を覚え、恐怖を感じることもあります。そこから反発という感情が出てくることもあります。
このように対面であれば相手の意図はわかるのですが、メールやリモート画面での会話となると相手の真意を正しく理解することが難しくなります。
このため普段からメールやリモート画面でのやり取りには気を付けないといけないですが、そこでできることに「コミュニケーションのさしすせそ」があります。
普段から相手とのコミュニケーションを良い形にしていれば、このような誤った受け取り方も防げますので「コミュニケーションのさしすせそ」を参考にしてください。
コミュニケーションのさしすせそ
さ:さすがですね!
し:知らなかったです!
す:すごいですね!
せ:センスありますね!
そ:そうなのですか!?
この言葉は相手を褒めるときに相槌として使う言葉ですが、普段のコミュニケーションで使ってみると普通にも使えるものです。
人は話を黙って聞かれると、自分の話を聞いてくれているのか不安になります。
この相槌をうまく使うことでコミュニケーションがうまくいきます。
リモートでの会話では、相手が話していることに無反応になる人が多いです。
対面の時は「無表情」ということは無いと思います。
これは無表情だと、自分が「相手は自分の事を変に思っているだろうな」と思うからです。
これがリモートでの会話となるとその配慮が無くなります。
私たちが今までリモートでの会話というコミュニケーション手段を使ったことが無いからかなと思います。
リモートでも、話しかけている相手が無反応だと、話し手は「聞いているのかな?」と不安になります。
話し手への気遣いとして相槌は大切ですね。
今回紹介した「コミュニケーションのさしすせそ」は相手に驚きを表すときによく使う言葉です。
この言葉は、相手の話に興味を持っていることを表すことができるので、相手に対して共感している印象が強くなり、その結果相手に好意的な印象が生まれます。
相手への共感を示すと、相手は心地よくなり安心して話し続けることができます。
これは「同調効果」とも言われ、特に協調性の高い日本人にはより効果が高いそうです。
私たちはお互いが助け合ってすごしています。
私がよく例に出すことに、「自分一人では1本の鉛筆すら作ることができない」があります。
全てがお互いの支えあいで成り立っています。
いつも感謝の気持ちを持って、相手への気遣いを忘れないようにしたいと思います。
2023/10/28
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ファーストペンギン
携帯電話事業 au を手掛けているKDDIを興した千本倖生さんの本を読んでいたら「ファーストペンギン」という言葉に出会いました。
「ファーストペンギン」とは、
ペンギンはつねの群れを作って行動する動物ですが、集団を統率するボスやリーダーは存在しないそうです。
それでは、なぜペンギンは隊列を組んで移動したりするなどの整然とした集団行動ができるのかというと、それは、最初に行動をとった一羽にみんなが従うという習性があるからだと言われています。
エサを取りに海に飛び込むときも同じで、群れは互いにけん制するようなしぐさを見せるだけで、最初の一羽が飛び込むまで行動を起こしません。
逆にいえば、シャチやヒョウアザラシといった天敵がいるかもしれない未知の海にまっさきに飛び込む一羽、すなわち「ファーストペンギン」の勇気、果敢なチャレンジ精神、そのベンチャースピリットは、称えてしかるべきものなのです。
自分がエサにされてしまうリスクや恐怖を克服して、エイヤッと未知の世界に飛び込むのは危険で破壊的な決断でもあります。
しかし、それが成功すれば仲間を助けることができるし、集団に先駆けてリスクテイクするファーストペンギンは、その行動を後追いするその他大勢よりもさらに、大きなものが得られる存在でもあります。
なぜなら、未知の世界を経験することは飛躍的成長の条件の1つであり、危険を恐れず、果敢に挑戦することが大きな成長への飛躍台となるからです。
私が興したECHもファーストペンギンだと思っています。
SAP業界では10年以上前から技術者不足が言われ続けています。
その中で教育に重点を置いて新たなビジネスモデルでやっていこうという会社はありません。
それは、教育とビジネスを同時に成り立たせることが簡単ではないということです。
ゆえに、SAP業界では今に至ってもまだ技術者不足が言われ続けています。
私は困難な事業に携わっていると思っています。
しかし、このビジネスモデルが成功すれば、SAP業界に1つの新しい技術者育成の活路を見出し、SAPユーザー、SAPベンダーなど社会に大きな貢献ができます。
自分の仕事が社会から必要とされ役に立っているという「利他の精神」でこれからもECHの事業を続けて行きます。
2023/10/09
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気分が上向くきっかけ
今回は毎月読んでいるPHPに載っていた羽鳥慎一さんの「気分が上向くきっかけ」を紹介します。
羽鳥慎一さんは「羽鳥慎一モーニングショー」を8年に渡り務めているフリーアナウンサーです。
彼は仕事の中で「この仕事、向いてないかも」と落ち込んだ時があったそうです。
その時に前向きになれたきっかけを書かれていたので紹介します。
放送でコメンテーターの方たちの議論が白熱しすぎて、やや険悪なムードになり「もっとうまく進行すればよかった」と思うことがあるそうです。
ただ、このネガティブな感情を引きづることはあまりないそうです。
それは、番組のメンバーやスタッフの方は、番組開始以来ほとんど変わらず同じメンバーで、お互いに勝手知ったる、という感じで信頼関係がしっかりとできているからだそうです。
このような状況になっているのは、普段から話をたくさんして、お互いの事を理解しているからだと言われています。
気分が沈む原因の多くは人間関係にあるような気がすると言われています。
そういった意味では、気分が上向くきっかけは「話をすること」だそうです。
家庭内にしても職場にしても友人同士でも、気持ちの行き違いがあると、気分は上向きにななりません。
そういう時は、とにかく相手と「話す」。
羽鳥さんは苦手なタイプであればあるほど、話をするそうです。
苦手な人をいきなり好きになるのは無理ですが、よくよく観察するとその人にもいいところが必ず見つかるということです。
「この人は苦手」という気持ちはいったん横に置いておいて、いいところだけを見て話しをするようにしているそうです。
コミュニケーションが苦手だから話すのはちょっと・・・と思う人もいるかもしれないですが、羽鳥さん自身も本来は暗い人間で、誰とでもうまくコミュニケーションを取れるタイプではなかったそうです。
ただ、人と話をしないと成り立たない仕事に就いたために、鍛えられたということです。
慣れだそうです。
無理やりにでも周りの人たちとコミュニケーションを図ること。
人間関係におけるモヤモヤを解消するには、コミュニケーションを取ることが一番だと実感しているそうです。
2023/09/20
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人生の豊かさの9割は習慣で決まる
毎月読んでいるPHPに「人生の豊かさの9割は習慣できまる」という記事があったので紹介します。
心理学の新たな領域に「ポジティブ心理学」と呼ばれる分野があります。
心理学をこころの問題の解決ではなく、心の豊かさをより高めるために使っていこうというものです。
ここに「幸福の公式」があります。
幸福の公式「H=S+C+V」
H:幸福(Happiness)
S:規定値(Set Point)
C:生活状態(Condition of living)
V:自発的活動(Voluntary Activities)
1つ目の「規定値」とは、物の考え方、とらえ方です。
よくあるたとえに、コップの水が「半分も入っている」ととらえるか、「半分しか入っていない」ととらえるかです。
事実は同じでも解釈の違いで、感情とその後の行動は変わってきます。
事実をどう解釈するかで幸福度の40パーセントが左右されます。
2つ目の「生活状態」とは、人生における日々の出来事(幸運、不運)の事です。
一次的に何かが起きても、感情は一瞬上がったり下がったりするだけで、長くは影響しません。
例えば、出世して給与が上がっても、それは幸福に長くは影響しないし、会社の倒産や病気などで一時的に感情が下がることがあっても、またその人が持つ規定値に戻っていきます。
人生で起きる日々の出来事の幸福度への影響は10パーセント程度と言われています。
3つ目の「自発的活動」とは、人生において自分で選んだ活動をしているか、その感覚を持って生きているかというものです。
例えば、休日前夜に夜更かしをして、朝十時に目を醒まし、だらだらとテレビを見て貴重な休日が終わっていくという一日を想像してみてください。気分に流されて自己コントロールや規律が失われると、豊かさは低下するのです。
逆に、習慣の中で「早起き」の人気が高いのは、自発的に取り組めて、自己コントロール感が得られやすいからでしょう。
ちなみに3つ目の自発的活動の幸福度への影響力は50パーセントもあるのです。
まとめると、幸福度の影響力は規定値40パーセント、生活状態10パーセント、自発的活動50パーセントとなります。
規定値と自発的活動で90パーセントです。
規定値はものの考え方、とらえ方です。
思考のメタ認知(客観視すること)によって、ネガティブな考え方を浄化し、ポジティブな面に目を向けることができます。
そのための方法として、「書く瞑想」があります。
ただ日々の事を書き出し目を向けるだけで、とらえ方の積み重ねが大きく変わっていきます。
イライラ、不安、心配、焦り、自己嫌悪、後悔を生み出した出来事を書くと、思っていた以上にたいした量がないか、たいした内容ではないことに気づきます。
書くことで気持ちが浄化されていく事が実感されるでしょう。
また、人は、できなかったこと、失敗したこと、イライラしたことは強い印象で覚えていますが、逆に、できたこと、うまくいったこと、うれしかったことのインパクトは薄くなりがちです。
ささいなグッド、ハッピー、感謝をあえて書くことで、印象が薄くなっていた出来事と感情を強く感じることができます。
自発的活動についてですが、「継続は力なり」という習慣化の偉大な名言があります。
イチロー選手が大リーグの記者会見で次のような名言を残しています。
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」。
まさに継続は力なりを象徴する偉大さの秘密が小さな習慣なのです。
では、実際にどうすればよいかですが、1日1パーセントの時間の自発的活動があります。
1日の1パーセントは15分です。
15分の読書、15分の筋トレ、15分の英語学習、1日15分であれば、朝、昼、晩のどこかでタイミングが見つけやすく、無理なく行動することができるでしょう。
歩きながら「15分の英単語」など、ハードルを下げて抵抗なくできることを積み重ねていく事が自己肯定感を高め、行動と思考習慣をよくして、幸福度を高めることができます。
2023/09/08
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自分の適性
今回は1つの動画を見てもらいます。
2分程度の動画です。
( https://www.youtube.com/watch?v=q8i6wHCefU4 )
この動画は、以前社長ブログで紹介した「個人のキャリアの8割は偶然の出来事によって決定される」という「クランボルツ理論(計画的偶発性理論)」に似たことを物語っています。
社会で仕事を始めて間もない頃、「仕事が自分に合っていない」や「自分に合う仕事を探している」という人がいます。
それが間違っているということではありません。
でも、社会でまだ経験をそれほど積んでいない人が、目の前に出てきた仕事が自分に合っているかどうかはなかなかわかるものではありません。
多くの仕事は工夫や努力して身につけていくもので、最初からできるといった仕事は自分が満足する報酬をもらって行う仕事ではありません。
個人のキャリアの8割は偶然の出来事から決定されるというように、自分の中に「とにかく目の前にあることを一生懸命やってみる」という姿勢があるかどうかでキャリアの積み重ねができます。
数か月仕事をやっただけで「自分に合わない」という判断をするのは、人生の時間を無駄遣いしているのではないかと思います。
社会人生活は40年~50年続けることとなります。
その中の3年くらいを1つの事に費やして、その結果「違う仕事が自分には合っているのではないか」という判断が出て違う方向へ変えていくという形が、悔いのない充実した人生を送れるのでは思っています。
私の過去を振り返ると、最初は経理マンとして経理部で7年働き、その後コンピュータの先生を7年、そして独立して起業しました。
経理の知識を一通り身につけ、コンピュータの知識も十分身につけた結果が今の会社経営です。
いつも、その時々を一生懸命やってきました。
最初から「私には経理が合わない」や「コンピュータが合わない」などと言っていたら今の私はありません。
最初に見てもらった映像は何を物語っているかというと、
ブランコの漕ぎ方を知らないロボットが、どんなにじたばたしてもブランコは前後しません。
でも、ロボットはあきらめるという回路が無いので、やり方はわからなくてもあきらめずに繰り返しじたばたします。
最初はなかなか変化が訪れませんが、あきらめずにやっていると少しブランコが前後しだします。
でも、やはりまだ自分が満足できる揺れ方ではありません。
ロボットはあきらめません。
何度も何度もやり続けます。
すると、また少しゆり方を学び、その学びを糧にあきらめずに続けます。
そのあきらめずに続けるという行動で、最後にロボットはブランコをとてもきれいに揺らすことができるようになります。
まずは目の前に出てきたことに一生懸命に取り組む。
この姿勢が身に付けば、どんな仕事であっても自分の人生を豊かなものにしてくれます。
ブランコの動画、もう一度見てください。
2023/08/23
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アファメーション
知人から、文藝春秋に載っている元プロ車いすテニス選手の国枝慎吾さんと慈眼寺住職の塩沼亮潤さんとの対談記事を教えてもらい読みました。
その中にアファメーションについての事が話題になっていましたので紹介します。
国枝さんはグランドスラム歴代最多通算五十回優勝したとても優れたテニスプレーヤーです。
「俺は最強だ」という言葉を練習や試合中などに声に出して言うことで話題になった方です。
国枝さんは十数年前になかなか世界ランキング十位の壁を突破できずにいた時期があったそうです。
そんな時に世界的に有名なメンタルトレーナーのアン・クインさんの指導を受け、クインさんに「ナンバーワンになれるでしょうか」と尋ねたとき、クインさんが「あなたはどうしたいの」と聞かれ、国枝さんは「ナンバーワンになりたい」と答えたそうです。
するとクインさんは「「なりたい」ではなく「俺が世界のナンバーワンなんだ」と断言するトレーニングが必要だ」と言われたそうです。
ポジティブな言葉を口にすることで潜在意識から行動や発想を変えようという手法で、アファメーションと呼ばれるメンタルトレーニングのひとつだそうです。
ここで国枝さんが思いついたのが「俺は最強だ」というフレーズで、このフレーズを言葉に出して言いだしてから試合の勝率が圧倒的に上がり、約半年後には初めて世界一位になることができたそうです。
塩沼さんは1999年に一日四八キロを計千日間歩く最難関の荒行「大峯千日回峰行」を満行された史上二人目の大阿闍梨で、2000年には断食・断水・不眠・不臥を九日間続ける「四無行」も満行された方です。
塩沼さんが想像を絶する厳しい修行時に心の支えにしていたものは「信じて疑う心なし」という言葉で、修行中に何度も繰り返し自分に言い聞かせていたそうです。
修行は生きるか死ぬかといった状況の中で「自分は大丈夫だ」と強い意志を持ち続ける必要があり、0.1パーセントでも自分を疑う心があると、ネガティブな方向に心が全部引っ張られてしまうそうです。
少しでも弱気になりそうな時は「信じて疑う心なし」と唱え、苦しい修行を乗り越えていきました。
このように言葉を口に出すということが自分の行動を変えていくそうです。
アファメーションは肯定的な言葉による自己暗示で、理想の自分を引き寄せていきます。
ポジティブな言葉を使うことで自分を幸せにするマインドセットのひとつとして多くのスポーツ選手などが使っています。
アファメーションは、なりたい自分を引き寄せる魔法の言葉です。
ポジティブな思考が身に着くようになり、自分の能力を最大限に引き出せる手法と言えます。
アファメーションのやり方は、短く肯定的な文を考え、紙に書き出し読み上げるということを毎日繰り返し行うことで効果が出てきます。
私もさっそくアファメーションをやってみようと思います。
2023/08/17
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メラビアンの法則
今回はメラビアンの法則について書いてみます。
メラビアンの法則はカリフォルニア大学の心理学者アルバート・メラビアンによって発表されました。
コミュニケーションにおいて相手が受け取るメッセージは、
・言葉(言語情報)からが 7%
・話し方(聴覚情報)からが 38%
・表情などの見た目(視覚情報)からが 55%
であるという法則です。
これは、言語によるコミュニケーションと非言語によるコミュニケーションは、7対93だという事です。
私たちが言葉を使って相手に情報を伝えようとすると自分の意図することの7%しか伝わらず、残り93%は、相手から見た自分の見た目や声などによって判断されるという事です。
言葉も大事ではあるが、ボディーランゲージや話すトーンがどれだけ大事かを表しています。
このことを踏まえて普段のコミュニケーションを考えていくと、
・自分の表情や身振りに気をつけながら
・声の高さや抑揚に気を配り
・分かりやすい言葉を使い
相手との会話をするということです。
また、私たちは普段の仕事の中でメールやチャットを多く使います。
そこでは十分に気をつけないといけない事があります。
メールやチャットは言語コミュニケーションにあたるという事です。
すると、自分が思っていることの7%しか正確に相手には伝わらないという事を考えなくてはいけません。
相手を責めているつもりでなくても、また、怒ってもいないのに、相手には93%の情報伝達が行かないので誤った受け取り方をされる恐れがあるということです。
相手の間違いを伝えたり、相手へ何かを要求するときに、相手へ誤解を与えるような恐れがある時はメールだけに寄らず、電話や対面という形も使い用件を伝えるようにしましょう。
また、メールを受け取る側も、自分は7%の情報しかもらっていないので、相手の本意を正確には受け取れていないかもという事に気をつけましょう。
言語にのみ直ぐに反応せず、電話で相手の真意を聞いたり会って会話して正しい意図を掴むようにしましょう。
私は普段から会社の雰囲気はこうなって欲しいという事があります。
「笑顔」です。
自分の時間の半分近くを占める仕事中、「笑顔」になることで自分の気持ちも高揚し、周りの人も笑顔になります。
非言語的コミュニケーションとしての「笑顔」が自然と表情に現れるようになると、人とのコミュニケーションはとてもスムーズにいくと思っています。
いつか会社の壁に「笑顔」の額縁を飾りたいと思っています。
2023/08/09
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クランボルツ理論
今回は「クランボルツ理論」について書いてみます。
クランボルツ理論とは「計画的偶発性理論」のことで、心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された理論です。
この理論が最近注目されているのは、この理論によると個人のキャリアの8割は偶然の出来事によって決定されるとしている事です。
クランボルツ教授がビジネスパーソンとして成功した人のキャリアを調査したところ、そのターニングポイントの8割が本人の予想しない偶然の出来事によるものだったそうです。
ただ、この理論は自分でキャリアプランを描いたり、キャリアアップのための努力をする事が無駄と言っているのではありません。
偶発性というものに注意をおいて普段を過ごすという事を言っています。
急速に経済のグローバル化が進む中、未来に何が起こるのか予想することは難しくなっています。
社会や企業の状況は個人の意思でコントロールできるものではなく、キャリアに関しても外的な要因で計画したとおりに行かないことも珍しくありません。
その様な時代背景の中で、「何をしたいかという目的意識に固執すると、目の前に訪れた想定外のチャンスを見逃しかねない」とクランボルツ教授は指摘しています。
これまでのキャリアプランの立て方とは異なる、ゴールに固執するのではなく、現在に焦点を置いてキャリアを考える計画的偶発性理論が注目されているそうです。
計画的偶発性理論は、次の3つを骨子として成り立っています。
<計画的偶発性理論の骨子>
1,予期せぬ出来事がキャリアを左右する
2,偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる
3,何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える
計画的偶発性理論によると、個人のキャリアの8割は偶然から作られます。
しかし、ただそれが起きることを待っているだけではキャリアは広がらず、予期せぬ出来事が起きた時に行動できるだけの準備をしたり、偶然の出来事に遭遇すべくフレキシブルに行動したりすることで、チャンスが生まれるとしています。
具体的には、以下の5つの行動特性を持つ人にチャンスが訪れやすいと言われています。
<計画的偶発性を起こす行動特性>
1,好奇心:新しいことに興味を持ち続ける
2,持続性:失敗してもあきらめずに努力する
3,楽観性:何事もポジティブに考える
4,柔軟性:こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
5,冒険心:結果がわからなくても挑戦する
起きた出来事や周囲の変化を意識し、出来事を前向きに捉えることがチャンスへとつながるとしています。
偶然の出来事や出会いを必然へと変えるために最も大切なことは、あらゆる出来事に関心を持つことです。
偶然の出来事は、起きた時点ではどのような結果をもたらすのかわかりませんが、未来が予想できないほど変化の激しい時代において、何かに固執するよりも挑戦してみることが重要です。
計画的偶発性理論は、ただ待っているだけで良いというキャリア理論ではありません。
偶然という形で舞い込むチャンスを確実なものとするために、自分自身の行動を変えて行きましょう。
2023/08/03
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この会社でやりたいこと
今回は、ECHでやりたいことを書いてみます。
以前も書いたかと思いますが、今年の新人も入社しているので改めて今私が思っている「この会社でやりたいこと」を書いてみます。
SAP業界の人材教育を変えたい
私がこの業界に入ってきたときにまず思ったのは、ITコンサルタントになりたくてもなれず、何年もプログラマをやっている人が多いことです。
また、ITコンサルタントの勉強をしたくても、本屋に参考図書は無く、研修は1か月で150万円もするようなものしかなく、一部上場といった大手企業に入社しないとSAPシステムの研修を受けることができないという状況でした。
私はたまたま友人がSAP社にいて、教育事業を手伝って欲しいという依頼からSAP業界へ入りました。
そこで上記の業界状況を見て、私が教育者としてやってきた経験から、この状況を変えたいと思いました。
世の中に色々な資格がありますが、IT関連の知識を習得するための手法・ノウハウは私の過去の経験から分かっており、SAP業界であってもこの手法で技術の習得はできるのではと思いSAP社で知識の習得を進めました。
結果、スムーズに知識の習得ができ、そこで得た習得のノウハウを使えばSAPシステムの機能習得はできるという経験から、いまの会社を創業し業界内で能力はあるがITコンサルタントになれない人に教育を提供し、その人の人生が光り輝くものになればという思いで会社を始めました。
SAPの機能習得では、機能を知ることを目標にしてはダメです。
SAP ERPの導入目的は業務の標準化です。
一度機能を習得した人はどの会社のSAP ERPに行っても同じ操作ができることで、無駄のないスキル習得ができます。
また、身につけたスキルが無駄にならないので人材の有効な活用、働く社員もスキルがそのまま使えるので働きやすくなります。
そこで必要とされるITコンサルタントは、それぞれの会社がどういった目的でERPの機能を使うかという、現場の要求、メリット、デメリットを語れる人です。
機能習得はそれほどは難しいものではないです。
習得は、私の経験から1つのコンポーネントの全ての機能は3か月毎日終電で帰れば習得できます。
ただ、機能をお客様の業務と結びつけることができなければ、使える知識、お客様から必要とされる知識になりません。
よって、いつも機能を覚えるときは、なぜこの機能があるのか、この機能でお客様がどう便利になるのかを考えることがとても大事です。
これができれば、短期でITコンサルタントとして役立つ人材になれます。
私は教育者として得た「人の育て方」とSAP社で得た「機能習得の方法」を社員へ伝えていく事で会社を大きくしていき、日本でがんばっている会社へ、経営を支える使えるITシステムの導入ができる優れた人材を輩出していきます。
SAP業界では、資金力のある大手企業数社のみがITコンサルタントの育成ができており、その他の多くの企業ではITコンサルタント育成に困っています。
この現状をECHの教育が変えていき、業界内に優れたコンサルタントが多くいる業界にしていきます。
2023/07/27
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問題の本質
私たちの仕事はコンサルティングです。
コンサルティングとは、特定の分野において豊富な知識と経験からクライアントの問題を解決することです。
解決を正しく行うためにはお客様が言っていることを正確に掴み、お客様にとって正しい回答を提示する必要があります。
そのためには、自分が問題の本質を分かっているかがカギとなります。
今回は問題の本質について書いてみます。
経済学者ピーター・ドラッカーは面白いことを言っています。
「間違った問題への正しい答えほど、始末におえないものはない」
例えば、ヘンリー・フォードが車を開発したとき、世の中のニーズは「もっと早い馬が欲しい」でした。
ここで、この問題を「早い馬が欲しい」と捉えると「間違った問題」となります。
「早い馬」を問題として捉えると「正しい答え」は、馬を速く走るように鍛えたり、より速い馬を探すという行動になります。
問題の本質は「早く移動したい」なのです。
フォードは「間違った問題」に対して解決策を探るのではなく、本当の問題に気づけたからこそ、1908年にT型自動車を開発し歴史を変えました。
問題解決能力は優れた解決策を出すことではなく、問題の本質に気づく能力のことです。
少し違う視点から、このような問題もあります。
妻が「頭が痛い」と言っていた。
その時にかけるべき本当の答えは何かというものです。
これは、「気づいてあげられなくてごめんね」だそうです。
妻の問題は「もっと私のことをかまって欲しい」なのです。
表面に見える問題を間違って捉え、その問題に何度も解決策を出しても解決には至りません。
その行為は「始末におえない」のです。
もう1つ、
小学校で、女の子へのいじめを何度注意しても止めない男の子がいたとき何と声掛けをすれば良いか。
この時にかけるべき本当の答えは、
「好きなら好きと、恥ずかしがらずにちゃんと伝えなさい」なのです。
「いじめをしてはいけない」と何度も男の子に言う事ではないのです。
目の前で起こっている事象だけを捉えて、それを問題だと認識し解決させようとしてもそれは本質的な解決になっていないことがある例です。
私たちの仕事はお客様が困って問題を投げかけてきます。
その時に、問題の本質が見えているか、いつもその姿勢を持ってお客様に対峙することが必要です。
2023/07/20
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